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ストーリー

Story

子どもたちが食べられるものを作りたい。
安心安全で、おいしいジビエ。

農家の方に相談され、使命感が湧いてジビエを取り扱うことを決意。
大分でジビエを食肉加工・販売をしている山末成司さんにお話を伺いました。

STORY 01
動物と人間が共存したジビエ版サステナブル

動物と人間が共存したジビエ版サステナブル

私たちはジビエの事を少しでも知って頂きたく思っています。

昨今の日本では多くの山間部や農村地域で、イノシシやシカの被害に悩まされています。捕獲の方は猟友会の尽力もあり、大分県は日本で北海道に次ぐ第2位の捕獲頭数を誇っています。しかし、捕獲したイノシシやシカの97%が廃棄されていました。

私たち食肉加工業者としては、害獣とはいえおいしい食肉に出来るイノシシやシカをただ廃棄するのではなくて、新たな資源としてのジビエ食材を有効活用することが使命と思っています。

命のありがたさみと大切さを身近に感じながら、適正に処理した、「安心」「安全」な食育につながる活動を続けていきます。

STORY 02
すごい使命感が湧いて、なんとかしてあげたいなと。

すごい使命感が湧いて、なんとかしてあげたいなと。

私の親は建設業を営んでいたのですが、夏休みに旅行もできず手伝わされていたせいで、その仕事が嫌いになって。それでも卒業後は建設業に就いたのですが、仕事へ行くのが嫌で、雨が降らないかなといつも思っていました(笑)
後に家業を継ぎましたが、この先も働き続ける事を考えたら嫌になってしまったんです。
自分のやりたいことを考えたときに、食べることが大好きだから飲食店をやりたいと思い、焼肉屋を始めました。

 

当時、焼き肉は高級なものだったのですが、みんなに良い物を安心価格で食べてもらいたくて経営をしていたら、時代にうまくマッチして売り上げが伸びていきました。次に無添加の加工肉を提供したいと思ったんですが非常に高くて。だったら、自分たちで作ろうと思い食肉加工を始めました。

あるとき、農家のおばあちゃんが「最近ジビエって聞くけど、あんたのところはそれができるのか?」って聞いてきたんです。理由を聞くと、ジビエに農作物を食い荒らされてしまい、猟友会に捕獲を頼んだそう。
けれど、猟師は役所に届けるのに必要な尻尾だけとっていき、残りはその場に捨ててしまうんです。
動物が腐敗していく状況が見るのが辛く、農業を辞めようかと思っていると。それを聞いた時に、すごい使命感が湧いてきて、なんとかしてあげたいなと。それから研究を重ねてジビエを始めました。このまま突き進んで、おいしいジビエならここのもの、と思っていただけるように頑張っていきます。

STORY 03
自然を無駄にしない普及活動

自然を無駄にしない普及活動

シカやイノシシには、美味しい時期とそうでない時期があります。
また、処理方法・年齢・雌雄・個体差も大きく味に関係しています。
宇佐市には日本を代表する九州自然動物公園アフリカンサファリがあります。
アフリカンサファリのん協力の元、宇佐市に処理施設が出来るならと、動物版地産地消を行い、猛獣の餌として協力を頂いています。
美味しい部位を人がいただき、食べ難い肉を動物の餌にして、無駄の無い様に処理加工しています。

STORY 04
新型コロナウィルスの影響

新型コロナウィルスの影響

私たちは、飲食店やホテル、学校給食など新型コロナウィルスで1番影響を受けているところに卸していたので、かなり影響がありました。特に学校給食は土壇場でキャンセルになってしまって。
通常、前月に1ヶ月分のメニューをいただき、料理に合わせて肉を細切れや短冊切りにカットして準備しているんです。
一度、用途に合わせて肉を加工してしまうと、他の使い方ができず商品価値がなくなるため、非常にやるせ無かったです。

このような状況ですが、幸いにも、私たちは工場を持っているので、業務用販売や卸しだけではなくて、一般の方にも販売してみようと思い立ち、ネット通販などを始めることにしました。今では少しずつ注文が増えてきて、とてもありがたいです。

STORY 05
どの命も無駄にはしたくない

どの命も無駄にはしたくない

私たちが作る商品は鮮度が良いこと、安心安全で無添加、どのような素材を入れているのか説明できるものを作ることにこだわっています。
ジビエソーセージは木の実と塩しか入れていないんですけど、とてもおいしいですよ。
僕は、子どもがめちゃめちゃ大好きなんです。子どもたちには「安心して食べられておいしいよ」と胸を張れるようなものを作り続けていきたいと思っています。


実は昔、私はジビエが苦手だったんです。初めて食べたものがとんでもなく臭くて…。これをおいしいと思う人は味覚がおかしいと思っていました(笑)。でも、あるとき食べさせていただいたジビエがとてもおいしくて。
この違いはなにか、理由を調べたら2つあることに気がつきました。
1つはオスが持っているホルモンが原因で臭くなること。繁殖期は特に臭みが出ます。もう1つは加齢。歳をとるほどに肉に臭みが出ます。つまりメスや若いジビエなら臭みもなく、とてもおいしいんですよね。

猟師も食肉処理施設の人も分かってはいるものの、無駄にしたくないという考えから、そのまま売ってしまうことが多い。でも、それを食べた人は二度と食べてくれないですよね。ジビエを広めたいのならやってはいけないんです。
けれど、大切な命なので粗末にしたくなくて…。近くの動物公園の先生に相談したところ、鹿肉は栄養価が高いから、動物たちに与えたいと言ってくださいました。どの命も無駄にしないことが僕の願いであり、使命だと思っています。

STORY 06
おすすめのジビエの食べ方

おすすめのジビエの食べ方

ジビエって本当にすごいんです!
特に鹿肉はスーパーフードに近く、天然の木の実や山の新芽、穀物を食べているため、栄養価が素晴らしいんです。
トップアスリートで身体作りのために食べている人もいますし、低アレルゲンでもあるので子どもにもおすすめです。

 

初めてジビエに挑戦される方は、ソーセージが食べやすいです。フライパンに油を引かずに焼くだけ。焼いても、ボイルしても、これからの季節は鍋に入れてもおいしいですよ。私の子どもたちも大好きで、よく食べています。

STORY 07
みなさまへメッセージ

みなさまへメッセージ

ジビエは農作物や木の新芽を食べてしまうため害獣と言われており、このまま数が増えていくと自然破壊へと繋がりかねません。食べることで自然保護はもちろん、命のありがたみや大切さを感じる食育にもなります。
しっかりと選別し、適切な処理をしたジビエは安心安全で本当においしいので、ぜひ食べて応援いただきたいです。
きっとジビエに対する評価も変わると思います。